プールサイドに立つとき、いつもこれを思い出します。水が冷たい朝は、足を入れるまでが、本当に勇気がいります。でも、一度、体を沈めてしまえば、あとは気持ちいい。水の冷たさは、最初の十五秒だけ。
仕事も同じで、新しい企画を始める朝は、いつも憂鬱です。先週も、思い切って新しいお客様に提案の電話をしました。一週間も迷って、受話器を取る前に、何度も番号を打ち直して。ようやく重い受話器を取ったけれど、話し始めてしまえば、拍子抜けするほど普通でした。何を、あんなに不安がっていたんだろう、と。
最初の一歩が、一番難しい。その後は、勢いです。最初の一歩を踏み出すまでに、人は九割のエネルギーを使う。踏み出してしまえば、あとは、勝手に体が動く。
もちろん、勢いだけでは、いいものは作れません。準備も、計画も、必要です。でも、準備は、頭の中でいくらでもできる。できないのは、最初の一歩。だから、その一歩だけは、勇気を出して。水は、冷たいのは、最初だけです。
最初の一歩さえ踏み出せば、あとは勝手に体が動く。それを知っているだけで、新しいことへのハードルが、少し下がる気がしませんか。

