若い頃のわたしは、結論を急ぐ人間でした。メールの返事が来ないと、すぐに「もう来ないんだ」と思った。会議で意見が割れると、すぐに決着をつけたがった。待つ時間が、ただの無駄に思えていたのです。
でも、歳を重ねるにつれて、待つことの意味が少しずつわかってきました。返事が来ない間も、相手は考えている。意見が割れている間も、みんなそれぞれの事情を抱えている。結論を急いだときの自分は、その「間」を、ぜんぶ飛ばしていたのだと思います。
待つことが大切な視点を持てること。それが、大人になるということなのかもしれません。もちろん、全部を待っていればいいわけではない。でも、待つべきものは、ちゃんと待てる。その見極めができるようになったとき、人は少し大人になるのだと思います。
このことに気づけたのは、人生の経験値が上がったからでしょう。失敗も、焦りも、うまくいかなかったことも。そういうものの積み重ねが、待つことを教えてくれた。経験を重ねると、余裕が出てくる。余裕が出てくると、待てるようになる。待てるようになると、また、新しい景色が見えてくる。
あなたも、何かを待っている途中かもしれません。結論を急ぎたい気持ち、わかります。でも、その待っている時間は、無駄ではありません。きっと、あなたに余裕が生まれるのを、待っている時間なのだと思います。

