娘が「自由になりたい」と言ったことがあります。友達の家に泊まりたい、門限を延ばしてほしい——反抗期らしい願いです。気持ちはわかります。わたしだって若い頃は、親元を離れて自由になりたいと思っていました。経済的自由がほしいと願ったこともあります。
でも、自由になれば何でもできると思われがちなところが、ちょっと違う気がするんです。自由には絶対条件がある。それは、他者を害してはいけないということ。自分の自由のために、他人に悪いことをしてはいけない。その一線を越えたら、それはもう自由ではなくて、ただの自己中心です。
自由と自己中心は、いっしょにしてはいけない。自由は与えられるものではなくて、他者を大切にできる人にだけ、自然と広がっていくものなのかもしれません。
だからわたしは、娘にこう伝えました。「自由にしていいよ。でも、誰かを傷つける自由はないよ」と。自由になりたいと思ったとき、その自由で誰かを傷つけていないか。一度、立ち止まって考えてみる。それが、本当の自由への第一歩なんだと思います。

