断る勇気も、仕事のうち

デスクで穏やかに依頼を断り自分の限界を守る女性 仕事・挑戦

「すみません、これもお願いできますか?」——後輩に頼まれると、断れなかった。断ると、嫌われる気がして。頼りなく思われる気がして。「いいですよ」と言うたびに、机の上に仕事が積み上がっていった。

結果は、悲惨でした。どれも中途半端になって、納期に遅れそうになる。後輩の仕事も、自分の仕事も、どちらも台無し。みんなに迷惑をかけて、結局、信用を失いました。全部引き受けることが、誰のためにもならなかったんです。

そこで学びました。断ることも、仕事のうちだ、と。ただし、ただ断るのではなく、理由を添えて、代わりを用意する。「今はこれに集中しているので、来週までならできます」。はっきり言うと、意外と、相手も納得してくれました。断ることで、引き受けた仕事に、ちゃんと責任を持てる。それに気づいたとき、わたしは初めて「断る」を、仕事の技術として身につけられた気がしました。

断るときは、「今は忙しいので」と伝えればいい。次の約束を、無理にする必要はありません。「また今度、いつなら大丈夫か、改めて連絡します」——それでいい。無理に「来週ならできます」と約束して、また自分を追い込むのが、いちばんよくない。

それでも、引かない人もいます。「みんな忙しいんだから」と。でも、「みんな忙しい」は、本当です。ただ、忙しさの質も量も、人それぞれ。仕事の負荷だって、違う。比べる必要はない。あなたの限界は、あなただけが知っている。そんなときは、無理に戦わなくていい。「わたしは、今週いっぱい、一杯です」と、自分の現実だけを、穏やかに伝え続ける。それでいいんだと思います。

断る勇気も、仕事のうち。断ることは、相手を傷つけることではありません。自分を守ることは、仕事を大切にすること。あなたの限界を、あなた自身が守る。それが、長く働き続けるための、いちばんの方法です。

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