仕事の速さより、正確さが信頼を作る

デスクで数字を二重確認する女性 仕事・挑戦

新人のころ、わたしは仕事の速さに自信がありました。誰よりも早く資料を作り、メールを返し、仕事を片付けていく。「速い=できる」と思っていました。

ところが、ある日。お客様に提出する見積もりの数字を、一桁、打ち間違えていたのです。提出してから気づいて、慌てて電話をしました。「すみません、訂正します」。お客様は怒りませんでした。でも、あのときの「大丈夫ですか」の一言に、信頼が揺らいだ音が聞こえた気がしました。

急がば回れ、と言います。急いでいるときほど、遠回りを選ぶほうが、結局は早く着く。むかしのパソコンのデフラグもそうでした。高速モードより、詳細モード——時間をかけて丁寧にやるほうが、ずっと効果が高かった。速さは、便利です。でも、正確さは、信頼です。速いけれど間違える人より、遅くても正確な人のほうが、人は任せたくなります。もちろん、遅ければいいわけじゃない。速さも、大切な能力。ただ、速さは、信頼の代わりにはならない。わたしは、あの経験から、「作るスピード」より「見直すスピード」を大切にするようになりました。

仕事の速さより、正確さが信頼を作る。信頼は、作るのに時間がかかるけれど、失うのは一瞬。丁寧に、正確に。その積み重ねが、あなたへの信頼を、静かに作っていきます。

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