水のように、しなやかに生きる

eyecatch 17168 思考・マインド

わたしは、真っ直ぐに生きたいと思っていました。正しいと思ったことを、曲げずに貫く。強い人でありたいと、ずっと願っていました。

でも、真っ直ぐでいようとすればするほど、折れそうになることもありました。柔軟になれず、ぶつかって傷つく。強さとは、固いことだと思っていたからです。

仕事でチームを任されるようになって、それはもっと苦しかったです。自分の方針を曲げずに押し通そうとして、メンバーと何度も衝突しました。言いたいことは言う。それが誠実だと思っていたからです。でも、ある日、部下の一人がぽつりと言いました。「迷った時、いつも先輩は硬い壁みたいでした」。その言葉で、はっとしました。わたしの「真っ直ぐ」は、相手にとってはただの壁だったのです。

老子という中国の賢人は、「上善は水の如し」と言いました。いちばん良いものは、水のようなものだ、と。水は、低いところへ流れ、岩にぶつかれば形を変え、それでも、決して止まらない。水は、固くないけれど、壊れない。

その言葉を読んだ時、ふと昔の映画のことを思い出しました。ある武術家が、「水のようになれ」と言っていたのを。東洋の昔の賢人も、遠い国の映画も、同じことを教えてくれていたんだと、ちょっと嬉しくなりました。

わたしは「しなやかさ」のことを考え始めました。強さとは、折れないことではなく、折れても元に戻れること。流れに逆らわず、でも、流されないこと。水のように、低く、柔らかく、それでいて力強い。

真っ直ぐでいられなくても、いい。しなやかに、水のように生きる。そのほうが、長く、遠くまで行けるのかもしれません。

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